2025.05.02

奈良市におけるKARTE導入事例

  • KARTE
  • 行政・自治体
  • 500名 - 5000名
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2025.05.02

奈良市におけるKARTE導入事例

  • KARTE
  • 行政・自治体
  • 500名 - 5000名

2025.05.02

奈良市におけるKARTE導入事例

  • KARTE
  • 行政・自治体
  • 500名 - 5000名

導入の背景

奈良市は、「積極的に情報を開示し、市民に分かりやすく、信頼される市役所に」という理念を掲げ、デジタル活用に取り組んでいます。しかし、市のホームページには約12,000ページものコンテンツがあり、情報量が膨大で、市民が必要な情報にたどり着きにくいという課題がありました。また、ホームページを訪れる市民の年齢や目的も多様であるにも関わらず、ページごとのアクセス数しか把握できておらず、どのような人がどのような情報を探しているのかを推測するしかなかったという現状がありました。市役所は、市民からの問い合わせに対応する「待ち受け型」の対応ではなく、市民が必要とする情報を察知し、積極的に提案する「プッシュ型」の行政サービスの実現を目指していました。

導入の決め手

奈良市は、膨大な情報と市民の目的やニーズを結びつける解決策を探す中で、KARTEを知りました。KARTEは、ホームページを訪れた人の属性や行動から「何を知りたいのか」を分析し、個人に合わせた情報提供が可能であるという点が、奈良市の課題解決に繋がる可能性を感じさせました。また、KARTEは個人情報を特定することなく行動分析や施策検証を行えるため、個人情報の扱いに配慮した仕様も導入の決め手の一つとなりました。実証実験は、デジタル推進室、子ども政策課、秘書広報課の部署混合チームで実施され、特に子育て関連の情報発信に焦点が当てられました。子育て世代は、市役所の開庁時間に問い合わせることが難しい場合が多く、スマートフォンやパソコンの利用率も高いため、デジタルでの情報提供が有効だと考えられました。

導入の成果と今後の展望

奈良市では、KARTEを活用した実証実験で、子育て中の書類手続きをスムーズにするための施策を実施しました。具体的には、アンケートで回答した子どもの年齢に応じてホームページの情報を変更したり、年齢に応じたポップアップを表示したり、必要な手続きや書類をビジュアル付きで案内しました。これらの施策により、「すぐに手続き書類や期日を理解できた」「他のページを確認せずに済んだ」といった声が検証参加メンバーから上がりました。実証実験の結果を踏まえ、今後は子育て関連のイベント参加者がホームページにアクセスした際に、必要な情報を案内する施策や、新たに転入する人への情報提供など、個人に合わせた情報提供を様々な領域に拡大していく方針です。また、将来的には、市民一人ひとりに「マイページ」のようなページを用意し、スマートフォンやパソコンから通知を受け取ったり、必要な手続きを完了したりできるような行政サービスの実現を目指しています。さらに、行政サービスの生産性を高め、生まれた時間を障がい者や高齢者など支援が必要な人への対応に活用していくことも視野に入れています。

※本記事の情報は、2022年6月時点のものです。